緩和ケア

緩和ケア内科

診療科のご案内

「緩和ケア」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか?ホスピスとか、がん末期の痛みを取ることを思い浮かべる方が多いかと思います。どちらも間違いではありませんが、現在は、より幅広い患者さんの支援が期待される部門となっています。
 緩和ケア内科では、2つの役割を果たしたいと思っています。

苦痛・不安などの緩和
がん診療では、末期の疼痛などの苦痛緩和だけでなく、がんの診断早期からの不安などの精神的サポートを行い、がん治療時の辛い副作用の緩和を図ります。また、心不全など、がん以外の病気の方の苦痛や不安の緩和にも各科担当医の方と一緒に支援します。
意思決定支援
患者さんご家族は、一連の治療中に病状の変化に応じて、その都度説明があり治療法や療養場所を選択しなくてはならない場面が何度もあります。担当医からの丁寧な説明を聞いても、どうしたら良いか決められないこともあると思います。将来、自分では意向を話せなくなった時には、こうして欲しい・こうして欲しくないという将来の医療ケアの希望を話し合う「人生会議」(ACP:アドバンスケア プラニング)なども、お手伝いします。
・参考
日本緩和医療学会は、医療従事者が患者・家族に説明する際、あるいはメディアや民間企業が緩和ケアについて説明する際に、WHOの定義を分かりやすく、短い言葉として使用できるような新たな説明文の作成を企画し、このたび下記の説明文に決定いたしました。

緩和ケアとは、重い病を抱える患者やその家族一人一人の身体や心などの様々なつらさをやわらげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケア

平成26年3月

オンライン診療について

緩和ケア内科では、一部の方を対象に、情報通信機器を用いた診療、いわゆる「オンライン診療」を実施しています。
その中で、初診時にオンライン診療を実施する場合には、向精神薬を処方いたしません。

外来担当医表

・緩和ケア外来
月〜金の午前中に予約診療しています。ゆっくりお話を聞くことができるように予約枠は1人30分です。最初の診察は1時間の予約枠です。
今までの治療経過だけでなく、患者さんご家族の人柄や人生観・大切にしていること等を理解して今後の療養をサポートできるように心がけています。
 また、できるだけ自宅での療養を続けられるように、訪問看護や介護保険を利用してケアマネージャー(介護支援専門員)と連携を取り、必要に応じて訪問診療の医師に紹介して一緒にサポートしています。
・緩和ケアチーム
一般病棟に入院中の患者さんに、緩和ケアに精通した認定看護師・公認心理師・薬剤師・管理課栄養士・リハビリ療法士(PT,OT,ST)などのチームメンバーが、各科担当医や病棟看護師さんと一緒に支援を行っています。
2023年からは、心不全の方の緩和ケアにも取り組んでいきます。
・緩和ケア病棟(15床)
受付時間 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 8:30~11:30 寺嶋 𠮷保
(予約のみ)
寺嶋 𠮷保
(予約のみ)
寺嶋 𠮷保
(予約のみ)

医師紹介

  • 寺嶋 𠮷保

    資格
    日本緩和医療学会(認定医・指導者講習修了)
    日本臨床倫理学会(臨床倫理アドバイザー上級)
    専門分野
    緩和ケア、臨床倫理、医療教育
    寺嶋 𠮷保

病棟のご案内

緩和ケア病棟(Palliative Care Unit)

緩和ケアはがんに伴う心とからだのつらさを和らげます
がんになると、からだや治療のことだけではなく、仕事のことや、将来への不安などのつらさも経験するといわれています。緩和ケアは、がんに伴う心とからだのつらさを和らげます。
がんと診断されたときから始まります
がんと診断されると落ち込むこともあります。また、診断を受けたときには、すでに痛みや息苦しさなどの症状がある場合もあります。緩和ケアは、そのような落ち込みや症状に対して、がんと診断されたときから始まります。緩和ケアは、がんが進行してから始めるものではありません。がんの治療とともに、つらさを感じるときにはいつでも受けることができます。

令和元年に阿南医療センターとして開設の翌年、令和2年4月に、徳島県内4施設目(県南初)の緩和ケア病棟を開設いたしました。
COVID-19の感染拡大に伴い、令和2年8月よりCOVID-19患者の受け入れ病棟として転用しておりましたが、令和5年10月より緩和ケア病棟として運用を再開いたしました。
緩和ケア病棟では、がんに伴う心身のさまざまなつらい症状があり、がんを治すことを目標にした治療(抗がん剤治療やホルモン療法、放射線治療や手術など)が困難となった方、あるいはこれらの治療を希望しない方を主な対象としています。
※がん薬物療法の休薬期間中の症状緩和をご希望の方、症状緩和を目的とした放射線療法中の方は担当科の医師・看護師にご相談ください

理念

患者さまとご家族が、尊厳をもってその人らしく生きることを支援します。

基本方針

  • 1. 患者さまの不快な症状や苦痛を緩和します。
  • 2. 患者さまやご家族が抱えるさまざまな問題に対して多職種チームが協力してケアを提供します。
  • 3. 患者さまやご家族の心に寄り添い、意思決定を支援します。
  • 4. その人らしさを大切にし、心のこもったケアを提供します。
  • 5. 患者さまが住み慣れた地域や家で安心して暮らせるように支援します。

緩和ケア病棟スタッフ構成

緩和ケア内科構成

緩和ケア担当医、各診療科医、看護師、 薬剤師、管理栄養士、公認心理師、リハビリテーションスタッフ(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)、 医療相談員など全ての職種でケアにあたります。

緩和ケア病棟に入院するメリット

  • ● 緩和ケアの専門的な知識をもつ医師・看護師からのケアを受けることができる
  • ● 全室個室であり、プライバシーが守られた環境で自宅のように過ごすことができる
  • ● 面会時間・食事などの制限が少なく、ご自身の生活様式に合わせて過ごすことができる

緩和ケア病棟入退棟基準

  • ● がんによって生じるさまざまな症状の緩和が、通院治療や在宅緩和ケアでは難しく、主治医もしくは緩和ケア外来医師により入院が必要と判断されていること
  • ● 患者さんおよびご家族が、緩和ケア病棟入院中は積極的ながん治療を行わないことを理解されていること
  • ● 患者さんおよびご家族が、病名・病状について説明を受け、緩和ケア病棟への入棟を希望されていること
  • ● もし告知されていない場合は、患者さんの求めに応じて、主治医が適切に 病名・病状の説明をすることをご家族が了承されていること
  • 注)がんによる病状悪化にともない、症状改善が困難と判断した場合は、自然な形で経過を診させていただく方針です

緩和ケア病棟への入院をご遠慮いただく場合

  • ● 人工呼吸器の使用や透析等が必要な場合
  • ● 緩和すべき苦痛がなく、介護が入院の主たる目的となる場合
    その他、徘徊や大声をあげる、暴言暴力行為など、他の患者さんの入院生活に影響を与えると判断される場合

緩和ケア病棟退棟基準

  • ● 症状が緩和され、通院治療や在宅緩和ケアが可能と判断された場合。
  • ● がん以外で治療が必要な症状があり、その治療を優先する必要がある場合。
  • ● がんに対する積極的な治療を再開する場合
  • ● がんに伴わない精神症状のコントロールが難しい、人に危害を加えるなど他の入院患者さんに迷惑がかかり共同生活が困難であるとき

レスパイト入院について

入院判定をうけ緩和ケア病棟の利用者として登録後は、レスパイト入院も可能です。

注)レスパイトとは「一時休止」「休息」「息抜き」の意味です。在宅介護などで介護者が日々の介護に疲れ、限界を超え、介護不能となることを予防する目的で患者さんに短期入院していただくことをレスパイト入院といいます。

緩和ケア病棟への入院をご希望の皆さまへ

  • 1. 下記の状況に応じて、阿南医療センター緩和ケア内科外来への紹介・受診についてご相談ください
  • ・かかりつけ医がいる場合→かかりつけ医にご相談ください
  • ・かかりつけ医がいない場合→阿南医療センター、患者支援センター(がん相談支援センター)にてご相談ください
  • ・阿南医療センター通院・入院中の場合→阿南医療センター主治医にご相談ください
  • ※ 医療機関受診の際には、保険証を持参してください。かかりつけ医から紹介していただく場合は、かかりつけ医から渡される「阿南医療センター緩和ケア内科問診票」を患者さん又はご家族で記載していただき、 かかりつけ医へご提出ください。
  • 2. 緩和ケア内科外来を受診していただき、入棟の可否を決定します
  • 3. 入棟可と判断された場合、緩和ケア病棟へ入棟登録となります

入棟までの流れ

入院までの流れ

緩和ケア内科外来への申込み

緩和ケア病棟に関するご相談は、患者支援センターにお電話でお問い合わせください。
緩和ケア病棟では、どのような方にお過ごしいただけるかの入棟基準を設けておりますので、ホームページよりリーフレットのダウンロードを行い、あらかじめ内容をご確認ください。
現在、通院中もしくは入院中の病院を通じての申込みとなります。

現在の主治医又はかかりつけの先生に、診療情報提供書(紹介状)および必要書類の作成を依頼してください。
次の3種類の書式〔診療情報提供書、画像データ、緩和ケア内科問診票(医師用)、緩和ケア内科問診票(患者用)〕を事前にFAX(0884-28-6050)にてお送りいただくことで、お申込みとさせていただきます。

お問い合わせ後、こちらで面談日を調整し、担当者より後日連絡させていただきます。相談はご本人が来られた場合は保険診療の自己負担額、ご家族のみの相談の場合は自費 5,500円(税込)の費用が必要となります。

緩和ケア内科外来の申込みに必要なもの

緩和ケア病棟に関するご相談は、患者支援センターにお電話でお問い合わせください。
緩和ケア病棟では、どのような方にお過ごしいただけるかの入棟基準を設けておりますので、ホームページよりリーフレットのダウンロードを行い、あらかじめ内容をご確認ください。
現在、通院中もしくは入院中の病院を通じての申込みとなります。

ホームページよりダウンロードしていただき、ご記入ください。緩和ケア内科外来は、月曜・木曜・金曜日の午前9時30分から正午までの完全予約制となっております。

診療情報提供書(紹介状)、画像データ、血液データ

なるべく、詳細な病歴と現在の症状および治療内容、今後の見通し等の説明内容が記載されているものをお願いします。診療情報提供書の書式は、それぞれの医療機関の書式でお願いします。

上記書類はFAX後、緩和ケア内科外来へ来られた際に、病診連携窓口に提出してください。

緩和ケア内科外来(面談)

ご本人・ご家族と緩和ケア医師が面談し、現在の状況と今後の過ごし方について、ご本人の意向を聞かせていただきます。また、緩和ケア病棟や入棟判定について説明いたします。その後、希望があれば、緩和ケア病棟の見学も可能です。

緩和ケア病棟入棟判定

 緩和ケア相談外来面談後、入棟判定会議で検討を行い、数日以内に結果を電話でお伝えします。また病診連携室を通じて入院・転院の日程調整をさせていただきます。

ご不明な点は下記へお問い合わせください(受付時間:8時30分~16時45分)

緩和ケア病棟入院料

入院料=医療費+食事療養費

緩和ケア病棟入院料

入院料=医療費+食事療養費

1. 医療費

緩和ケア病棟入院料(1日につき)

加入している健康保険等の自己負担割合により異なります。

3割負担の方

  • ・30日以内1日 15,070円(入院初日:21,610)
  • ・31日以上60日以内1日 13,660円
  • ・61日以上1日 10,340円

2割負担の方

  • ・30日以内1日 10,040円(入院初日:14,400円)
  • ・31日以上60日以内1日 9,100円
  • ・61日以上1日 6,890円

1割負担の方

  • ・30日以内1日 5,020円(入院初日:7,200円)
  • ・31日以上60日以内1日 4,550円
  • ・61日以上1日 3,450円

※一般病棟と同様に1か月の自己負担額が一定額を超えた場合は、高額療養費制度の適応となり、 「限度額適用認定証」の申請により、超過分の自己負担額の還付が受けられます。 ※施設基準の取得状況や一部の診療により金額が変動する場合があります。

2. 食事療養費

1食 460円

(※住民税非課税世帯で、所定の手続きを行った場合:1食 100~210円)